「車の運転に運動神経って関係ないよね?」運動音痴な40代、教習所の技能が始まる前に念のため友達に聞いてみました。
「いや、あるでしょ。」あっさりと絶望的な答えをしてくれる運転歴20年以上のベテランドライバーの友達。
そんなこと言われちゃったら、ただでさえ気が重い技能が恐怖でしかありません。大丈夫大丈夫。運動音痴の人だって普通に運転できてるはず。そう自分に言い聞かせながらガクガクドキドキの心を静めて、初乗車のため名前を呼ばれるのを教習所のロビーで待ちました。
乗車の待ち時間での驚きの光景
えーと、まずは車の前後に障害物がないか確認してから、後ろから車がきてないのを確かめて、運転席に座る。そしたらえーと、座席を合わせてー・・教本を広げて予習に余念のない私。
ふと周りを見渡すと、私と同じように名前を呼ばれるのをロビーで待つたくさんの若者たち。ロビーに設置されているテレビを見てる人。スマホをいじってる人。え?教本見てるの私だけじゃん!
みんなそんな余裕なの?ペーパーなんて見てらんねーって感じなの?全部頭に入ってんの??こっちはエンジンかける前の段階から危ういというのに?!
いやいや若者たちと自分を比べてはいけない。フレッシュな気持ちは同じでも、身体能力はまるっきり違うのだから。しかも私は運動音痴。周りとの温度差を嘆いている場合ではない。教本に集中しよう。
当たり前だけどゴーカートとは違う
いよいよチャイムが鳴り、次々と名前が呼ばれます。
「〇〇さーん(私の名前)」キャーーーー!!!!と心の中で叫びながら顔はクールを決めこむ私。「今日はよろしくお願いします。」と頭をさげ、教官と車に向かいました。
まずは教官が運転席で私は助手席へ。所内をゆっくりぐるぐる。
「まあ初日だし、こんな感じで気楽に運転してみてね。」
優しそうなおじさん教官は笑顔で言いました。
「こんな感じがどんな感じか分からない」とも言えず能面がはりついたような顔で「はい。」とだけ返事する私。
とうとう私が運転席に座る時間がやってきました。さっき教本で予習したことなんて全部ふっとんで心臓バクバク。えーと、何やるんだっけ?どうしたいいんだっけ?もうやだよ~怖いよ~帰りたいよ~運転なんてしたくないよ~涙
自分がここまで情けないとは!というくらい弱気モード全開に。とりあえず運転席に座った私は、真顔で教官に言いました。
「怖くて運転できる気がしません。」
教官、爆笑。
いやいや、私、本気の告白なんですけど。教官、お腹抱えて笑っています。そりゃそうですよね。技能で「運転できません」って言われてもって感じですよね。
そこまで笑い飛ばされると、なんだかこっちも笑えてきます(単純)。おかげで私の倒れる寸前だった緊張はだいぶやわらぎました。あとから思うと、私の緊張をほぐすための教官の優しさだったのかもしれません。
その後、なんとかかんとか発進させて所内をグルグルしてみましたが、全くコツもつかめず、車体感覚など一切感じられず、ただただ「怖かった」という印象だけで技能初日を終えました。正直、もう乗りたくないとすら思うほどでした。
後日、このことを会社の先輩に話してみました。
「え?所内でしょ?私めっちゃ楽しかったよ~ゴーカート感覚で。隣に教官も座ってるから安心だし、楽しかった記憶しかない~」
そうなの?みんなそうなの?
私にはとてもゴーカート感覚のように楽しむことなんてできない。路上を運転するなんて想像もできない。やっぱり運転向いてないんだ。しくしく。
なんてやってる場合じゃないので、恐怖を克服するために、とにかく予習復習、Youtubeでイメージトレーニングを始めることにしました。