風のある暮らし

東京から見知らぬ田舎へ。更年期の母ひとり、思春期の子ひとり(中学男子)の暮らし。

僕だってスカートやかわいい服を着たいと思うことだってある

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あれは忘れもしない、子供が小学年1年生の秋でした。薄々はそうではないかと思っていましたが、実際にはっきり言われるとやっぱり焦ってしまう母なのでした。

 

生まれてくる前の子供の記憶 

「絵本読むよ~」と寝る前の読み聞かせのために布団に入る私。なんの話でそうなったのかは分からないけれど、こんな会話に。

 

子「女の子ってレースとかリボンの服が着れていいなぁ。」

 

母「えっ?!・・・着たいの?!」

 

子「う~ん。今は僕は男の子だから着たいわけじゃないけど、もし女の子だったら、僕だってかわいい服やスカートを着たいなって思うことはあるよ。ほんとはさ、ピンクだって好きなんだ。」 

 

とりあえず。持っていた絵本を放り投げ、布団から飛び出て思わず正座してしまう私。

 

母「スカートはきたい?はいてみる?」

 

子「う~ん。いや~今は男の子だから別に着なくていいんだけどね。」

 

母「じゃあさ、ズボンとかはいてるの嫌だったりする?」

 

子「ううん、嫌じゃない。」

 

母「男の子でいるのがしんどいな~って思うことある?」

 

子「ううん、それはないよ。僕は女の子で生まれても男の子で生まれてもどっちでもよかったんだ。だから女の子だったらかわいい服着れたのにな~ってだけ。」

 

母「女の子でも男の子でもよかったんだ。」

 

子「うん。僕は生まれてくる前は女の子だったんだ。でもお母さんが男の子がいいっていうから神様にお願いして髪を切ってもらって男の子にしてもらったんだ。」

 

母「へーーーーーーーーー!そっかそっか。そうだったんだ。女の子だったんだね。」

(確かに私は男の子がよかったのです。)

 

子「うん。だから女の子で生まれてもよかったんだ。」

 

母「そうなんだ。女の子でも男の子でもいいんだよ。どちらでもあなたはあなたなんだから。だからあなたが男の子やめたいって思ったらいつでもお母さんに言ってね。男の子か女の子かって別にたいしたことじゃないから。お母さんはあなたが女の子でも男の子でも大好きだからね。」

(なぜか饒舌に語ってしまう母)

 

子「うん!えっとね、髪の毛はのばしてみたい。」

 

母「誰か学校でのばしてる男の子がいるの?(真似したいのかな)」

 

子「ううん。誰もいないけどやってみたいの。」

 

母「なんで?」

 

子「結んでみたいから。」

 

母「・・・。そ、そっかそっか。いいね!じゃあのばしてみようよ。」

 

子「うん!」

 

こうして笑顔で眠りについた子供。と、心の中では少し焦っている私。結びたいのがツインテールなのか後ろで1本結びなのか聞く勇気はありませんでした。

 

子供が赤ちゃんのころ

赤ちゃんのころからいつも女の子に間違われる男の子でした。2歳ごろにはうっかり(というか、まいっかというか・・・)髪も耳が隠れるくらい伸びしてしまって、さらにどこからどうみてもショートカットの女の子に。

 

保育園にお迎えに行くと、先生に結ってもらってツインテールや編み込みで出迎えてくれる、娘。じゃなくて息子。

 

先生もおもしろがって、毎日お昼寝後にとびきりかわいい髪形に結ってくれて。子供もなんの疑いもなく、お昼寝後にゴムを持って髪を先生に結ってもらうために女子の列に並んでいたそうで。

 

そんな時期は半年くらいですが、このことが影響していると言われれば、「ごめんなさい」しかありません。でも、そもそも性質も遊びも小さいころから女子よりでした。

 

性格もあると思うのですが、全然やんちゃにならなかったし、危なくて目が離せなくなるというようなこともありませんでした。

 

女子グループに混ざる息子

小学生になると、休日に遊んでいる相手はだいたい女子達でした。女子のお友達のおうちにお呼ばれしたというので誰が来るのか聞いてみると、6人中、男子は私の子供だけとか。

 

学校のイベントで4人グループでまわったというので誰とまわったのか聞いてみると、4人中、男子は私の子供だけとか。

 

残念ながら『モテてる』じゃなくて、完全に同じ女子と思われているような状況でした。バレンタインもたくさんチョコをもらったりしましたが、「えっとね、これもあれも友チョコだからねって何度も念を押されたー」と報告されて母は苦笑。

 

だからといって男子の友達が一人もいないかというとそうでもなく、いじめられたりも全くなく友達関係はとても良好でした。

 

でもなんとなくどっちつかずな感じは私もずっと思っていたので、子供の告白で焦りはしましたが腑に落ちた感じはありました。

 

結局髪は結構な長さまで伸ばしてあと少しで結べるかもというとこで、短く切ってしまいました。その夏にクラスでシラミが大流行してしまったので。そういうわけで、ツインテール希望か1本結び希望かは分からないまま今に至ります。

 

揺れ動く思い?

それが、ついこないだ、なんかの話からこの話になったときがありました。

 

母「そういえば、女の子でもいいって言ってたのって今はどう?」

(デリケートな問題をストレートに切り込む母)

 

子「今はやっぱり男の子のほうがいいなって思ってる。」

 

母「へ~。いつごろから?」

 

子「2年生の2学期かな。」

 

母「ずいぶん具体的だけど、なんかあったの?」

(聞かずにはいれない母)

 

子「いや、別に。男の子の方がたくさん動けるし。運動好きだし、僕。」

 

母「女の子でも運動好きな子いっぱいいるじゃん。」

 

子「そうだけど、やっぱり男の子がいいかなって。」

 

母「ふ~~ん。」

 

確かに最近男の子よりになってる気はしていました。

aokamizu.hatenablog.com

 

弓矢とか作ってますし。やっぱり男の子なんだ!って思いましたが。でもよく考えると、お裁縫もお菓子作りも相変わらず好きな子供。あと私の髪を結ったりも好きですね。

 

しかもこないだ、よく遊ぶ女の子姉妹のおうちに遊びに行ったときに、そこのママに姉妹に混じって髪の毛結んでもらって喜んでましたね・・・。

 

そこのママには気を許しているからであって、たぶん学校には絶対していかないと思います。そこらへんがやはり9歳の揺れ動く思いというものでしょうか。

 

子供の将来 

この先もどっちかよりにフラフラして最終的に自分で着地点を見つけるのかもしれません。どちらにしても、子供がつらい思いをせずに幸せであってほしいです。

 

いちいち、今ってどっち?って聞いちゃいけないんだろうけど、やっぱりこれからも聞いてしまいそうな予感。嫌がられるようになったらもう聞きません。

 

将来、「僕のパートナーだよ」って連れてくるのが女の子か男の子か、楽しみに待つくらいドーンとした気持ちでいようと思います。