まだまだ甘えん坊でかわいくて素直な小3男子。でもこちらがキー!となるようなこともあります。いつでも穏やかにすごせるわけではありません。
昨日いつものように学校からバスで帰ってくる子供を停留所まで迎えにいきました。バスから降りてきた子供とてくてく歩いて家へむかいましたが、子供の雰囲気がなんとなくいつもと違う。
あれ?疲れてるのかな?と思いながら歩いていると、こころなしか口調も少しギスギスしている。
やっぱりおかしいと思って子供に聞いてみました。
母「なんか今日ギスギスしてない?」
子「・・・してない。ギスギスしてないのにギスギスしてるって言われるとやだ!」
十分ギスギスしてますけども・・・
そのあとの会話もなんだかギクシャクして、突っかかってくるような言い方をする。
学校で何か嫌なことがあったのかな~いつもなら嫌なことがあったらすぐに言ってくるのにな~ま、しばらくほうっておこう、と様子を見ることに。
家に帰ってからも、平日は私のいる台所で一緒に料理したり本を読んだりするのに、あの汚部屋にこもって一人で読書。
あの汚部屋の記事はこちら⇒汚部屋と化す子供の部屋を私が片づけない理由 - 風のある暮らし
ごはんできたよー!と声をかけ、食べ始めるけれど、しーーーーん。私からはあえて何も話しかけません。
しばらくすると、子供がしゃべりだしましたが、なんだかまた不穏な空気に。なによもう!と私も少しイライラしてきて、「なんか最近あなたの考えてることが全然分かんないわ~」とつぶやきました。
すると、子供がすかさずこう返してきたのです。
「えっ?前まで僕の考えてること分かってたの?」
えっっ!!予想外の言葉に一瞬ひるむ私でしたが、気を取り直して。
「ううん。前も分かんなかったよ。だって私はあなたじゃないもの。あなたも私じゃないでしょ。別々の人間なんだから、あなたが何を考えてるか教えてくれなきゃ分かんないよ。言葉にしないと分かるわけないよ。」
いつも子供に言っていることを伝えました。子供は黙っていました。私もそれ以上何も言いませんでした。
そのあとは不穏な空気も少しやわらいで、いつものようにくだらない会話に。私が洗い物をしていると、子供が私の隣に立ちました。
子「今日さ、学校で恥ずかしいことがあったんだ。」
母「そうなんだ。」
子「恥ずかしいからあんまり言いたくないけどさ。」
母「うんうん。」
子「今日卒業式の歌を練習してるときに泣きそうになったんだ。」
母「そうなんだ。」
子「6年生がいなくなるからじゃないよ。それも悲しいけど、今日は違うんだ。」
母「うん。」
子「歌がね、前の学校で歌ったのと一緒でね、思い出してものすごく悲しくなって泣きそうで大変だったんだ。」
母「一緒だったんだー。思い出したんだね。悲しかったね。」
子「うん。涙が出てきたけど、誰にも見つからないようにした。ものすごく悲しくなって、そのあとの学童も全然楽しくなかった。」
母「だからだったんだー。そっかそっか悲しかったね。」
子供をギューっと抱きしめました。子供も私をギューっと抱きしめ返しました。
母「ずっと悲しくていいんだよ。それだけ東京に大事なお友達がいっぱいいるってことだから素敵なことだよ。忘れなくていいんだからね。」
子供はうんうんとうなずきました。
母「そうだったのか~話してくれてありがとう。気持ちがよくわかったよ。」
子「うん。わかってくれてありがとう。」
こうして、いつもの無邪気な子供に戻りました。
子供が自分から話してくれなかったら、全く予想できなかった理由でした。まさかそんなことがきっかけで、人知れず悲しい思いをしていたとは。悲しい気持ちをどうしたらいいか分からず、ギスギスした態度になってしまっていたとは。
移住してすぐのころ、東京のお友達に会えなくて寂しい気持ちになって泣いたことが2、3回ありました。
そのたびに、「悲しい時は悲しくていいから。いっぱい泣いていいんだから。」と気持ちを吐き出させて、子供もそうやって自分の中で整理しているようでした。
その時は「僕、悲しい!」とすぐに私に訴えてきたのですが、久しぶりに悲しくなった昨日はすぐには言おうとしませんでした。私には分からない子供なりの葛藤があったのだと思います。
今も昔も、子供の考えていることなんて私には正直全然分かりません。こう考えてるのかな、と推測しても全く違っていたりもします。
私は子供じゃなくて、子供は私じゃない。分からないのが当たり前。だから言葉で伝えることをしないと、分からないし分かり合えない。
一番近くにいすぎて、分かっていないのに決めつけたり、分かっている気になって分かろうとしなかったりしないようにしよう。と改めて思いました。
今回はぎりぎり子供が話してくれたから分かり合えたけれど、そのうち全く話をしてくれなくなって、全く見当もつかなくなって、全く分からなくなる日がくるのかな・・・
いやいやいや。見当がつくぐらいにはキーワードをもらおう!
小3男子。もうすぐ10歳。大人の階段をのぼっていることを感じた木曜日でした。